文・写真 旅行作家キム・ドンウ
壬辰年に思いを馳せる東莱邑城探訪路
恥辱の歴史・壬辰倭乱(文禄・慶長の役)、その戦いが始まった釜山。東莱史跡公園は、その歴史を辿ることができる場所だ。約400年前に死の匂いが充満した城跡は、今では市民のための平和な憩いの場となって久しい。道は、東莱邑城「人生門」から始まる。名前が面白い。言い伝えによると、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)のとき、現在人生門の建つ峠を越えて避難した人は皆、助かったという。門の上に上がって歩いていくと、木々が茂る林の道を通ることになる。小高い山を登ると、ピラミッドを連想させる高いオブジェが見える。釜山3・1運動記念塔だ。この塔は、植民地支配からの解放50周年となる1995年8月15日に着工し、1996年3月1日に完成した。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の悔しい敗北の場が塗り替えられた独立運動の3・1運動記念塔をじっくり巡ると、歴史が伝えようとするメッセージが、ぼんやりではあるが肌に感じられる。自分に出会う道・梵魚寺ヌリギル
梵魚寺ヌリギルは、心を空っぽにする空間(第1区間)、瞑想の空間(第2区間)、自然との同化(第3区間)、心の安定(第4区間)の4つのエリア(計2.3km)に分かれている。道の始まりは、梵魚寺からだ。この寺院は、新羅時代の義湘(ウィサン)大師が創建したといわれ、海印寺、通度寺とともに慶尚南道三大寺院に数えられる。特に、満海・韓龍雲(ハン・ヨンウン)が滞在した寺院として広く知られ、釜山地域における3・1運動の出発点としても歴史的な場所なのだ。修行僧の敬虔な気持ちで境内を一周し、心を空っぽにしてみる。山の中に、静けさに包まれて佇む寺院を散歩すると、いつでも心が穏やかになり、慰められる。梵魚寺を出て曲がりくねった道を歩くと、ヌリギルの標識が見える。その横の森に伸びる小径。ウッドデッキに足を踏み入れると、爽やかな空気で胸がいっぱいになる。渓谷に沿って流れるせせらぎの音を聞いていると、足取りも軽くリズムを刻みたくなる。しばらく渓流に降りて汗を冷やしてもいいはずだ。 森の中でティータイムを楽しみたいなら、カフェなどが集まる「ポムニダンギル」がすぐそばにある。歴史を辿る道・金剛公園登山路
金井山のふもとに位置する金剛公園。ここはその美しい景色で名高く、昔から釜山の「小金剛」と呼ばれた。ロープウェイが設置されているため、気軽に釜山の全景が鑑賞できるスポットとして人々に愛されてきた。住所
東莱邑城探訪路: 釜山広域市東莱区明倫洞、福泉洞、漆山洞、安楽洞一帯休業日
年中無休(金剛公園ロープウェイ、定休日は月曜日)営業曜日及び時間
常時(金剛公園ロープウェイ 09:30〜17:30(12月〜3月)/09:30〜18:00(4月〜11月))利用料金
無料(ロープウェイ運賃は別料金)交通情報
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