韓国人で広安里を知らない人は、多分いないでしょう。海雲台とともに釜山を代表する旅行スポットです。海に架かっている広安大橋は、釜山のランドマークで、韓国だけでなく海外にも広く知られています。
ここでは、広安里を上手に旅する方法について、ご紹介します。コロナ禍で、この頃一人旅が増えているような気がします。一人で堪能する広安里!どんな物語が展開されるのでしょうか。とても楽しみです!
1人だけの空間–ホテル1
一人旅だからこそ、宿選びは大事だ。安全で快適な空間であることは、もちろん必須条件だ。利便施設が備わっていてリーズナブルな価格ならなお良い。窓の外にオーシャンビューが広がっていたら、もう言うことなし。広安里海水浴場の海辺に位置するホテル1のカプセルホテルであれば、こんな厳しい条件でもすべてクリアできる。
部屋に入って白いカーテンを開けると、大きい窓から青い海が視界に飛び込む。オーシャンビュールームを選べば、カプセルホテルなのに、三ツ星ホテルに負けない風景をベッドの上から堪能できる。1人部屋から4人部屋まで、大小さまざまな部屋があり、天然ラテックスのマットレスと枕も快適だ。共用のシャワールームやトイレ、ランドリーも清潔さに整えられている。
ここでは是非エレベーターでルーフトップ「ビョル・カイ」まで上ってみよう。広々とした広安里の海を背景にした絵の一部のように屋上が飾られている。リゾート地にあるような安楽椅子、広いジャグジー、ログハウスなど、インスタグラマーが惚れ惚れするフォトスポットがたくさんある。
天に向かって伸びている「天国への階段」は、まさに圧巻だ。一段上がる度に風景が全く違って見える。赤く染まった夕焼けを背景に撮った写真は、きっと一生の思い出になるはず。
ひとりご飯-東京食膳
旅行でグルメは欠かせない。一人でも素敵な食事を楽しみたい人には、広安里海岸の隠れ家的な東京食膳がおすすめだ。日本の食事処のようなおしゃれで粋な扉と庭が最初に迎えてくれる。
ドアを開けて中に入ると、職人が丹念に団扇を煽いでウナギを焼いている姿が見える。ここでは230年間続いた老舗のうなぎ専門店「重箱」の味を、そのまま再現している。重箱は、うなぎのかば焼きの温度を保つために入れる蓋つきの箱のことをいうが、東京食膳でも、うなぎのかば焼きは四角い重箱に入れられて提供される。
代表メニューのうなぎのかば焼き「うな重」は、うなぎが一匹まるまるご飯の上に載っている。うなぎの独特なにおいを消し、柔らかくほろほろした食感と風味に仕上げている。うなぎの味付けは塩辛過ぎたり甘すぎたりすることが多く、食べる途中飽きてしまうことが多いが、ここのうなぎは最後の一口まであっさりとした味わいを保つ。いっしょに出されるおかずや汁物も絶品だ。
ひとり散歩
食後は本格的に散歩を楽しもう。広安里海水浴場の端に位置するサミクビーチアパートが出発点となる。整えられた海辺の遊歩道を歩きながら海を見やると、巨大な広安大橋が、触れられそうなほど近くに感じられる。その裏に広がる海雲台マリンシティの摩天楼は、まるでどこか外国の都市のようだ。
白浜に下りると、随所にフォトスポットが隠れている。「広安里」をハングルで書いたときの子音と母音を横長に広げた形の赤い造形物、白い指輪のようなブランコ、エキゾチックな雰囲気の蘆のパラソルなど、写真を撮るのに夢中になって、時間が過ぎるのも忘れてしまうほどの魅力たっぷりの場所だ。
広安里海水浴場を過ぎ、海辺道路を歩き続けると、漁船が集まっている小さな入り江が目の前に現れる。漁師たちが漁に出る民楽港だ。普通、漁村はのどかで平和な風景だが、民楽港の周辺は高層ビルが建ち並んでいる。入り江を取り囲む防波堤の端には、赤と白の灯台が並んでいて、入り江に入ってくる漁船を迎えている。
防波堤に沿って伸びる遊歩道で灯台まで行くことができる。防波堤の裏に見える広安大橋と夕日に赤く染まる風景が、まるで絵のように美しい。広安里海水浴場では感じられない、広安里のまた別の顔だ。
民楽港から離れ、海辺を少し歩いて行くと、刺身屋が集まっている民楽刺身センターが見える。刺身センターのすぐ前の海辺は、市民が海を眺めながら休むことができる民楽水辺公園だ。
赤、青、黄色などの原色で彩られた地面と階段が真っ先に目を惹く。船の形をした展望台に上ると、広安大橋が目の前に見える。夜になると、マリンシティの華やかな夜景を、広安大橋とセットで見られる夜景スポットとして、人気が高い。夏は刺身センターで買った刺身を食べながら、夏の夜の特別な雰囲気を楽しむ若者たちの姿は、今ではこの地域の風物詩となっている。
民楽水辺公園から水営橋までは、水営江に沿って遊歩道が整備されている。マリンシティと水営ヨット競技場、センタムシティなど、華麗な都心の風景を見ながら歩くと、いつの間にか水営橋に着く。民楽洞とセンタムシティを結ぶ水営橋の上に立つと、釜山国際映画祭の舞台である映画の殿堂と、世界で最もフロアが広いシンセゲデパート、マリンシティと民楽洞一帯、広安大橋まで、センタムシティ一帯の都市の風景が一望できる。夕暮れ時の色鮮やかな日没や華やかな夜景など、何一つ見逃せない釜山の旅の名場面なのだ。