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屯致島(トゥンチド)での一日

文・写真旅行作家ムン・チョルジン

評価未評価
PV 1,305

洛東江支流の間に浮かぶ小さな島の屯致島は、釜山の都心では感じられない長閑で平和な雰囲気が満喫できる場所です。涼しい秋の風に当たりながら屯致島で過ごした一日をご紹介します。

屯致島

釜山の西端、西洛東江に位置する小島の屯致島は、洛東江河口を代表する渡り鳥の飛来地だ。トビやチョウゲンボウなど猛禽類の主な生息地でもある屯致島は長年、開発制限区域であったため、洛東江の昔の姿を今日まで残している。民家がある一部の地域を除くと、島のほとんどが農地で、釜山の都心では珍しい田園風景が広がっている。
陸地と島を繋ぐ唯一の橋である屯致橋を渡ると、昔の姿を留めているスーパーマーケットや村会館(町内会館)、古い家が仲良く集まっている風景が、まるでタイムスリップしたような錯覚を引き起こす。都心から車でわずか30分の場所なのに、遠くまで旅しているような気がする。

川辺の道に沿って島を一周

屯致島を取り囲む洛東江に沿って道が伸びている。2台の車がやっと離合できる狭いアスファルト道路だが、静かに流れる洛東江の景色を堪能するのには十分だ。ときどき風の音が聞こえるだけで、周辺は静けさに包まれている。釜山でこれほど静謐な場所が他にあるだろうか。木々から顔を覗かせる黄金の野原は珍しい風景だが、同時に親近感をも味わわせる。屯致島でしか出会えない洛東江河口の魅力だ。
川辺の道を歩き続けると、島を一周して元の場所に戻る。ゆっくり歩いても２時間あれば十分だ。真昼よりは、日が西へと沈む黄昏時がおすすめだ。黄金色に染まった風景の中を悠々自適に歩いてみたら、屯致島の魅力に浸るしかない。

サンセットビューが楽しめるカフェ

川辺に沿って歩いてみたら、一休みできる雰囲気のあるカフェが出る。緑の芝生に建てられた白い外観が印象的な「ザ・リバー・オン」は、屯致島の夕陽を鑑賞するのにうってつけのカフェだ。ガラス窓が西側に向いていて、遅い午後になるとカフェ全体に日差しが注がれる。犬連れでも利用でき、屋外テラスも設けられている。
近くの「クンピッノウル(黄金色の夕焼け)」は、無人のカフェだ。1人6千ウォンの入場料を払えば、様々な飲み物を自由に飲める。カフェの中は庭園が美しく整えられていて、それを眺めるのも楽しい。一年中花が咲くので、きれいな写真もたくさん撮れる。建物の2階から見渡す屯致島も見逃してはいけない風景だ。

屯致島の夕焼け

村は一見普通の田舎のように素朴で余裕が感じられる風景だ。だが、畑の間にポツンポツンと佇む家々を眺めるだけでも楽しくなってくる。赤い屋根、緑の屋根、青の屋根、色とりどりの屋根が珍しい。狭い路地に家の影が長く伸びる頃。あちこちからご飯を炊く匂いが漂う。門の前でうろついていた犬までも、日課を終えて家に帰る。
屯致島の横を流れる洛東江は、いつの間にか赤く染まっていて、うろこ雲の間を赤い夕焼けがあたり一面に広がる。思わず足を止めて川辺に座り、時間が過ぎるのも忘れて空を見上げてしまう。時々刻々変化する空の色がとてもドラマチックだ。昼から夜へと変化するこの瞬間が、屯致島の魅力を一層際立たせる。

利用案内

住所
釜山広域市江西区鳳林洞
交通情報
都市鉄道1号線・下端駅3番出口→下端駅バス停から村バス江西区7に乗り換える→屯致島バス停にて下車

屯致島(トゥンチド)での一日

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