韓国の悲しい歴史である日帝強占期。日本の大陸侵略の足掛かりとなった釜山には、今もその痛みの痕跡がそのまま残っている。釜山近代歴史館は、波乱万丈の近代期の釜山の歴史を保存し、厳しかった時代の記憶を守り続けている。
近代期の釜山の歴史についてよく知らない人でも、「東洋拓殖株式会社」は耳にしたことがあるはず。日本が釜山を手に入れるために1929年に設立した会社で、現在その建物は釜山近代歴史館となっている。解放後はアメリカ政府が無断でアメリカ文化院として50年間使用してきたが、釜山市民の粘り強い要求により、再び韓国に返還された建物だ。
釜山近代歴史館は、1920年代に鉄筋コンクリート造りの建物として建てられた。西洋の建築様式が導入された当時の建築様式を留めており、今や全国的にも希少な建物だ。建築様式はもちろん、その歴史的な価値が認められ、2001年に釜山広域市指定記念物第49号に指定された。
釜山近代歴史館は、2003年7月3日に開館して以来、釜山にまつわる近現代史の遺物や展示物を通じて釜山の近現代史を理解し、記憶できる空間となっている。また、様々なテーマの特別展や教育プログラムなど、市民向けの充実したコンテンツも用意されている。
歴史館は、大きく分けて第1展示館、第2展示館、釜山の近代通り展示館で構成されており、不定期で特別展も開催される。第1展示館は、開港期から日帝強占期を経て近代化を成し遂げるまでの歴史の流れを知ることのできる空間となっている。第2展示館は、東洋拓殖株式会社と米韓関係の歴史について紹介している。東洋拓殖株式会社は、朝鮮の土地を収奪し、小作農から米穀を奪って自国の農民の被害の補償に利用した。解放されるまで、朝鮮の小作農は持続的にこのような日本の収奪行為に苦しめられた。
釜山の近代通り展示館には、日帝強占期の大庁洞の街並みが再現されている。当時釜山の中心だった繁華街の様子がよくわかる。釜山市内を走っていた路面電車の模型も展示されていて、まるで当時にタイムスリップしたような気分になれる。
ユニークな旅を楽しみたいなら、近代史の痕跡がそのまま残る釜山近代歴史館がオススメだ。
**釜山近代歴史館 臨時休館のご案内
期間:2021年6月29日~2022年 6月30日
お役立ち情報
毎月最終週金曜日は「文化がある日」のため、観覧時間を延長します。(20:00まで)
団体利用の場合、解説サービスの予約申請ができます(ホームページ参照)。
エチケット
他のお客様の迷惑とならないよう、館内では静かにご観覧ください。
写真撮影の際、フラッシュの使用はご遠慮ください。